2009年4月16日木曜日

上游1072





西安市内で唯一残っている蒸気機関車を見てきました。上游1072号という名前です。

上游とは先進、先頭、先陣というような意味です。現在、中国で残っている蒸気機関車は、軽便用を除くと、前進型、建設型、上游型の三種類があります。前進型と建設型は本線用の大型機関車で、もうそれほど残っていないようですが、上游型は支線用の便利な小型機関車(といっても、日本の機関車に比べれば大きな機関車ですが)なので、各地に比較的たくさん残っているようです。

陝西日報によると、蒸気機関車の生産が十年前に終わったために、困ったことが起きているそうです。それは、現在、活動している蒸気機関車が故障した時、交換部品の調達が非常に困難になってしまったことだそうです。

上游1072も同様の問題に直面していまして、専門の修理工に診断してもらったところ、部品を交換するしかなく、部品が調達できない以上、引退するしかないだろうということです。
上游1072は1975年生まれで、蒸気機関車の設計寿命は40年とのことです。 最近、中国各地での蒸気機関車の廃車が加速度的に進んでいますが、以前書いたような事情に加えて、故障の問題もあるようです。

ということで、上游1072は残念ながら引退が決まったようなのですが、動けなくなったわけではなく、常用に耐えなくなりつつあるということのようです。引退後は観光用に100万元(1500-1600万円)で購入したいという人がいるそうです。とは言え、そこは中国のことですから、どうなるか分かりません。現在、中国には観光鉄道といったものはほとんどないに等しいのです。

引退の時は遠くないかもしれませんが、西安市最後の蒸気機関車となった上游1072は、もくもくとけむりをはきながら、今日も西安市内を走っています。

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