2009年4月5日日曜日

无轨电车


 中国には、无轨电车というものがあります。軌道のない電車です。つまり、トロリーバスのことです。

 日本には、富山県の黒部ダム(石原裕次郎の映画『黒部の太陽』で有名なあのダムです)にトロリーバスが今も走っているそうです。昭和四十年代までは東京や京都などの各都市で走っていたそうです。排気がないので環境に良いし、他の車の邪魔にもならないし、なぜなくなってしまったのか分かりませんが、架線などの設備のいらない自動車の方が何かと「合理的」なのでしょう。

 中国では、北京、上海などいくつかの都市で、トロリーバスが走っています。中国名物だといってよいでしょう。

 西安にもトロリーバスが走っていました。つい2009年1月までです。

 西安では、現在、地下鉄の工事が進められています。目下、西安には一本の地下鉄もありません。地下鉄は2013年開業とのことですが、なにか外部の促進要因がない限り、もっとずるずると開業日は伸びそうです。

 この地下鉄工事の邪魔になるということで、トロリーバスは暂时停运(一時運休)ということになりました。数年後に復活の予定です。

 ただ、車輌はすでに古いものですし、数年放置した架線などの設備を復旧させる費用は馬鹿にならないでしょう。と言うことで、公式見解では「復活」なのですが、なくなる可能性が強いと思われます。

 触覚のようなものをふりふりと降りながら走っているトロリーバスの姿が結構好きだったのですが、当分見ることはなさそうで、残念です。ただ、地下鉄のためなら仕方がないかもしれません。西安のバスの慢性的な混雑が、地下鉄によってほんの少しは改善されると思うからです。

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