2009年4月4日土曜日

电影「活着」


 中国映画「活着」(生きている)をみました。監督は张艺谋(チャン・イーモウ)、主演は葛优、巩俐(鞏俐)です。1994年の映画です。

 映画は余华(現代中国の有名作家)の小説『活着』が原作で、1940年代から文化大革命後までの一家族の波乱に満ちた生活を描いたものです。主演の葛優は「非诚无扰」(2008年)の主演でもあり、喜劇俳優としてとても有名です。

 映画には〈皮影〉が登場します。皮影とは影絵のことで、牛の皮で作った人形を操って、その後ろから光を照らし、幕に人形の影を映します。インドネシアにもワヤンという似たような影絵があります。陝西省が発祥の地です。

 この映画は、公開後すぐに映画館での放映は禁止になりました。文化大革命の悲劇を存分に描いているからでしょう。ただ、現在は政府が禁止してもインターネットで簡単に見られますから、ある意味、良い時代になりました。十年以上前の映画ですが、多くの若者がこの映画を見ているようです。

 また、禁止の理由は、この映画の悲惨さにもあるでしょう。次から次へと襲い来る悲劇に、見ていてつらくなるほどです。文化大革命の悲劇を描いた映画はいろいろありますが、今思いつくのは『霸王别姬』に、『末代皇帝』です(後者は、文革については浅くしか描いていない『The Last Emperor』ではありません。中国製作の映画です)。

 文化大革命の悲劇の傷痕は、もはや表面に出ることはあまりありませんが、いまなお消えずに残っているものです。香港のテレビ局が被害者の親族からインタビューをとった番組を制作していますし、文化大革命の具体的な惨事を記録した本もありますが、日中戦争の悲劇と同じく、大多数の悲劇は当事者の心の痛みにとどまって消え去ってゆくものなのでしょう。したがって、こういった映画を藉りて思いを致すことには大きな意味があると思います。

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